英会話教室は駅周辺のビルを見上げると、見かけない駅はないくらい多くあります。
コロナ禍においては質の高いオンラインレッスンを提供する教室も増えてきており、英語を学ぶ選択肢はますます多様化したといえるかもしれません。
しかし、2020年の日本はそこから一歩進んだクロスオーバーな学び方が主流になりつつあります。
2020年必修化のプログラミング教育とSTEAM教育
2020年から小学校でスタートしたプログラミング教育。プログラミング的な筋道立てて考える論理的思考力を高める、横断的に教科を学び本当の意味での「教養(リベラルアーツ)」を習得するのがそのねらいです。
このプログラミング教育に伴ってSTEAM教育というワードが注目されてきました。
STEAM教育(スティームきょういく)とは、
・Science(科学)
・Technology(技術)
・Engineering(工学)
・Art(芸術)
・Mathematics(数学)
の5教科の頭文字をとった言葉です。これらの教科を単一ではなく複合的に盛り込む教育方法を意味していて、米国をはじめとした主要先進国ではすでに何年も前から実地的な取り組みがおこなわれています。
日本ではまだ耳慣れない言葉かもしれませんが、教育現場における可能性や成果については研究が進められています。学術論文では、小学校のプログラミングの授業で英語絵本を使うことについての可能性なども論じられています。
英語とプログラミングの学習効果における3つのポイント
英語とプログラミングを同時に学ぶと、次のような相乗効果が見込めます。
ポイント1:プログラミング言語を通して英単語を記憶
プログラミング言語で使う制御文やクラス名には「if」や「else」、「return」といった英単語が使われています。
単語や構文は丸暗記すると応用が効かなかったり会話に活かすのが難しかったりします。
英語とプログラミングを同時並行で取り組んでいれば、プログラミングという「自らの体験」を通して英単語を覚えられるので、能動的に英語に接することが可能になります。
ポイント2:英語で文章を読んでプログラミングスキルをアップ
自由度が高く、プログラミングも学べると幅広い世代に人気のゲーム「マインクラフト(マイクラ)」はレシピと呼ばれる製作物の作り方を一般ユーザーが公開しているのも魅力のひとつです。
このレシピを公開しているのは英語圏のユーザーが圧倒的に多く、ブログや動画を見て真似をするには英語力が必要になることもしばしば。与えられた課題から発展的にプログラミングを学ぼうとすれば、自然と英語力を鍛えることにもつながっていくでしょう。
なお、マイクラの情報やプログラミング教材の新しい情報にアクセスするには、普段からプログラミングと英語を複合的に学んでいる方がよりスムーズになるでしょう。
ポイント3:世界で開催されるオンラインキャンプに参加可能
世界では、子ども向けのプログラミング講座やオンラインキャンプが数多く開かれています。オンラインで開催されているものなら、コロナ禍でも自宅から参加できるのでちょっとした留学気分を味わえるかもしれません。
しかし、キャンプの多くは米国が主催国であり、英語のスキルは必須となります。
プログラミングが好きになったり、長期休暇に特別な体験をしたり。それは、希望の進路に向かうための自信やアピールポイントになるかもしれません。
子どもの好奇心を活かし、英語とプログラミングを自然に習得
英語×プログラミングの学習効果を期待する上で重要なのは、子どもの好奇心を大切にすることです。
人は興味をもったことに取り組んで好きになり、より楽しくそれができるように努力をします。つまり、辛いことや難しいことでもその根本に「楽しい」や「できるようになりたい」というポジティブな思いがあればそれを乗り越えようと努力できるのです。
そのポジティブな思いを形成する素となるのが、好奇心です。
好奇心旺盛で吸収が早い小学校低学年のうちにさまざまなことに触れさせ、好きなこと=努力できること、を見つけてあげるのは保護者の重要な役割のひとつといえるでしょう。
まとめ:「英語×プログラミング」同時に学んで学習効果は大幅アップ
コロナウイルスの感染拡大によって、海外とのつながりは途絶えたように錯覚しがちです。しかし、現代は地球上のほとんどがオンラインで常時つながり、距離の制約を超えてさまざまなことが達成されるようになりました。
今後はデジタルの世界がオフラインを飲み込み、常にオンラインに接続した状態で仕事や経済が回っていくと考えられています。
これまでとはまったく異なる姿の未来を生きていく子どもたちにとって、英語とプログラミングを組み合わせて学ぶことは有用であり、「生活力」そのものの下支えになるといってもおおげさではないのではないでしょうか。