早稲田佐賀中学校・高等学校は、佐賀県唐津にある早稲田大学の附属・系属校です。
2010年に設立された早稲田大学7番目の付属校で、「九州のWASEDA」という愛称で知られています。
「学問の独立」、従来の慣習にとらわれず新しいものを取り入れていくという「進取の精神」、そして「地球市民の育成」という3つの理念を柱として、高いレベルの教育を行っています。
早稲田佐賀中学校について
入試や英語教育のクオリティ、どのような英語教育が行われているかといった情報についてまとめました。
英語入試のレベル
早稲田佐賀中学校の帰国生入試は「新思考入学試験」という名称で行われます。
試験会場は唐津と首都圏にあり、唐津入試では約80名、首都圏入試では約40名が募集されます。
早稲田佐賀中学校の定める帰国生の条件は、海外の滞在期間が継続して1年8ヶ月以上3年未満であることです。その他、緊急連絡先となる保護者が国内に在住していること、保護者が海外勤務者または経験者であることといった諸条件があり、それを満たした生徒が受験できます。
受験科目は、総合Ⅰと総合Ⅱ、もしくは総合Ⅰと英語のいずれかを選択可能です。
総合Ⅰは、数理的思考力を問う受験科目です。
総合Ⅱは、読解力・表現力・資料活用力を問う受験科目です。
なお、英語にはリスニング問題も含まれています。
試験のあとに面接が実施されます。
新思考入試は2022年入試から始まったばかりなので、全体的な難易度はまだ未知数となっています。
英語教育のクオリティ
早稲田佐賀中学校は帰国生専用のクラスがなく、入試後は一般生と同じようにクラス分けされます。
英語教育のクオリティは高く、海外の提携校と協力して交換留学を実施するなど、実地を通して使える英語を学ぶカリキュラムが用意されています。
交換留学とは別に、シンガポール研修や海外への修学旅行もあり、実際に話して学ぶ機会は豊富と言えるでしょう。
早稲田大学の附属校というメリットを活かして大学の授業をオンデマンドで受講することも可能です。
ネイティブレベルに高い英語力を持っているお子さんなら、オンデマンドで積極的に英語の学びを深めていくのも楽しいでしょう。
英語入試の合格率、倍率
2023年度の新思考入試・帰国入試の全体平均点は、総合Ⅰが57.5、総合IIが55.3、英語が47.9となっています。
新思考入試自体が始まったばかりなので、合格の倍率に関するデータは少ないのが現状ですが、約1.5〜1.8倍とされています。
早稲田佐賀中学校の偏差値は59〜65で、高等学校の偏差値は69です。
県内トップの難関校なので人気も高く、今後倍率が高くなっていくことが予想されます。
早稲田佐賀中学校独自の取り組み、特色
早稲田佐賀中学校のある佐賀県は、早稲田大学の創設者である大隈重信生誕の地として知られています。
ゆえに、早稲田佐賀中学校はこの地を第二の故郷と感じてもらえるような地域一体型の取り組みを行っています。
例えば、ユネスコ無形文化遺産に登録された「唐津くんち」を直近で見て堪能できるのは、唐津ならではの体験と言えるでしょう。
また、「八太郎館」という寮があり、生徒同士が交流を深めながら健全な精神を育み、切磋琢磨しあいながら寮生活を送ることもできます。
早稲田佐賀中学校の卒業生、主な進路は？
早稲田佐賀中学校は、早稲田大学に対して入学定員の50%という推薦枠を設けています。
そのため、約半数は早稲田大学へ進学します。早稲田大学へは政治経済、法学、教育、商学、国際教養、文化構想、基幹理工学、先進理工学、人間科学、スポーツ科学など多様な学部への進学実績があります。
また、国公官立大学への進学実績も多く、東京大学、京都大学、九州大学、香川大学、長崎県立大学、防衛医科大学校、防衛大学校など全国の国立大学へ門戸がひらかれています。
慶應義塾大学、明治大学、立教大学といった有名私立大学、医科大学への進学実績も豊富なのが特徴で、多様性を重んじて自分の道を切り拓く教育方針であることが分かります。
校風について：どんなお子さんが向いている？
寮があり、地域の良さを体験することを重要視しているため、日本の伝統的な物事に触れたい、首都圏から離れて自立した生活をしたいというお子さんに向いています。
帰国生クラスはありませんが、交換留学や海外研修の制度も充実しているので、英語力も保つことができるでしょう。医学部への進学実績も高く、県内トップレベルの学校なので、勉強熱心なお子さんにふさわしい環境と言えます。
まとめ：早稲田佐賀中学校は帰国生におすすめ
早稲田佐賀中学校は、大隈重信生誕の地という、早稲田大学にゆかりの深い土地にある付属校です。
英語と理数系科目に強いのが特徴で、国際社会に羽ばたいていけるグローバルな人材育成に定評があります。
