最近、学校や学習塾などの教育現場において、人型ロボットのPepper(ペッパー)を導入するケースがよく見られるようになってきました。Pepperは汎用性の高いロボットで、エンターテイメントのみならず、教育現場においても活躍の幅が広がっています。
今回はそんなPepperの、学習環境における運用方法についてご紹介していきます。
Pepperとは
Pepperはソフトバンクが展開する、感情の認識が可能な人型ロボットです。
オフィスやカフェなど様々な場所で活躍
流線的なデザインでユニークな挙動を示すPepperは、今や都会であればあらゆるところで見かけるようになってきています。
その活躍の幅は広く、オフィスでの受付や、百貨店の案内係、カフェやレストランでのウエイターなど、多くの現場で実験的な導入が進んでいます。
声をかけたことはないものの、一度は彼らを街中で見たことがあるという人は多いのではないでしょうか。
IoT化の促進にも役立つPepper
Pepperは人型ロボットであるため、単純なセンサーやロボットアームなどに比べるとはるかに高度な処理を行うことができます。
最近では家庭にPepperを導入して、そのほかのIoT機器と接続し、スマートホーム化の中心的な存在として活躍している様子も見受けられます。人型ということで、多くの人から受け入れられやすいということもPepperの魅力の一つです。
教育現場でもPepperが活躍
また、教育の現場においてもPepperが活躍している様子が見られます。Pepperはコストパフォーマンスの高い人型ロボットということで、プログラミング教育の現場では特に重宝されています。
Pepperが先生として何かを教えるというよりも、Pepperとともに学ぶ環境を提供する学校や塾は、近年増加傾向にあります。
Pepperの運用方法について
高度なプログラミング教育の実践
Pepperは通常のプログラミング教材に付随するロボットとは異なり、人型ロボットとして高度なアクションを起こすとともに、感情を読み取るなどの人間に近い処理を行うことができるロボットです。
そのため、プログラミングによってロボティクスを学ぶ場合でも、味気のないロボットを作るだけでなく、まるで本当に人間をプログラミングしているかのような、臨場感のあるプログラミング教育環境を実現してくれます。
肉体的・感情的な表現ができるPepper
Pepperが優れている点として、単純な情報処理にとどまらず、道徳的な教育や、スポーツ教育にも活用できる点が特徴です。
例えばPepperは人の感情を表現したり、読み取ることができるという能力を生かし、幼少期の子供に人間の感情の機微をわかりやすく伝えることができます。あるいは二本の手を生かして、クロールや平泳ぎなど、水泳の授業のアドバイスを行うこともでき、これらの事例は実際に学校で行われています。
あるいは感情表現やコミュニケーション能力を生かして、人間とロボットの共生関係について考えるなど、次世代の道徳のあり方を考えるきっかけにも、Pepperは大いに活躍が期待されています。
他にも様々なPepperの導入実績があり、ソフトバンクの公式サイトで紹介されています。気になる方は以下のリンクから確認してみてください。
公式サイト:https://www.softbankrobotics.com/jp/product/academy/report/
Pepperを教育現場に導入するメリット
このような多様性溢れるロボットであるPepperを教育現場に導入することで、様々な恩恵を子どもたちは受けることができます。
ロジカルシンキングの養成
一つに、ロジカルシンキングの力を効果的に身につけることができます。Pepperは確かに通常のコンピューターとは違い、日常会話が可能なロボットではあるものの、Pepperの中で行われている処理は非常に論理的です。
そのため、彼らと効果的にコミュニケーションを取るためには、話しかける人間の側でも論理的なアプローチをとった方が、はるかに円滑に親しめるようになるのです。
あるいは、Pepperが望むような会話ができるようにプログラミングを行う家庭でも、プログラマーにはロジカルな思考力が問われることになります。授業の中で常にPepperと触れ合うことで、高い水準でロジカルシンキングの力を身につけることができます。
プログラミング学習に対する高いモチベーション維持
また、Pepperのように高度な人型ロボットに日常的に触れることで、さらに高度な技術を身につけようというモチベーションの向上にもつながります。
意味のない数式を眺めたり、単調なロボットアームの操作だけではどうしても飽きが来てしまうものですが、Pepperは初心者から上級者まで楽しめる、無限の可能性を秘めています。
ずっとプログラミングで遊んでいられるのも、Pepperの魅力の一つです。
おわりに
多くの人が見かけているであろうPepperですが、実際にPepperと身近に触れ合ったり、ましてやPepperをプログラミングする機械というのはなかなか日常では得られないものです。
Pepper設置済みの教室も増加しているため、一度見学などへ行き、どのように運用されているかをみてみるのも良いでしょう。