今世界で最も多くの人が注目しているカリキュラムといえば、プログラミングや電子工作など、エンジニアリングに関わるスキルの教育です。
こういった技能は今やその特殊性もすっかり失われ、少しネットを参考にするだけで、大人から子供まで誰でも気軽に学習できるような、ポピュラーな分野になってきています。
ただ何歳からでも学べるとはいえ、やはりこういった技能も早いうちから学んでおくのに越したことはありません。
子供のうちから親しくエンジニアリング技術に触れておけば、たとえエンジニアにならないとしても、将来幅広く活躍できる人材になれる可能性はグッと上がるものです。
今回は特にプログラミングのスキルに焦点を当て、なぜ早いうちから学んでおいた方が良いのかについてご紹介していきます。
注目を集めるプログラミング教育
プログラミング教育は日本でも積極的に推進されるようになったカリキュラムですが、その背景には国内の深刻なエンジニア不足という事情があります。
高まるエンジニアのニーズ
ここ数年でコンピューターを通じたモノやサービスの需要は大きく向上しました。
一方でその需要とは裏腹に、そういった商品を支えるエンジニアの数はまるで足りておらず、不足している状態からさらに減少が進むと考えられています。
経済産業省がまとめているデータによると、プログラミングの技術を備えたIT人材の供給は2019年を境に減少傾向に入ると推測されており、この不足感をぬぐいきれないまま日本のIT産業は衰退していってしまうとまで言われています。
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/27FY/ITjinzai_report_summary.pdf
引用元:経済産業省「T人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」
2015年で約15万人のIT人材の不足が算出されていましたが、このままだと2030年には59万人ものIT人材の不足が見込まれることから、政府としてもITに造詣のある人材の確保は急務となっているのです。
公教育の現場でも重視されるように
そのため、最近では小中高といった学校においても公立・私立を問わずプログラミング教育が重要視されるようになっています。
2020年度から小学校ではプログラミング教育が必修化され、続いて21年、22年には中学校・高校での必修化、および強化がスタートすることになっています。
さらに2024年度からは大学受験においても基礎教育としてプログラミング科目がセンター試験などに導入されることも検討されており、遅かれ早かれプログラミングの技能はこれからを担う子供達全員が触れることになるでしょう。
プログラミング教育の現状についてはこのような本も出版されているので、ぜひ参考にしてみてください。
子供のうちからプログラミングを学ぶことで得られるメリット
こういった事情を加味した上で、子どもたちが早いうちからプログラミングを学ぶメリットについてもみていきましょう。
実用的な知識を身につけられる
まず大きなメリットとしては、やはりプログラミングは実学であるという点です。
プログラミングのスキルは受験や学校の成績に役立つだけでなく、大人になってからも実践的な技術として十二分に幼少の頃に学んだことを生かすことができます。
論理的思考を養うのにも効果あり
同時に、プログラミングはロジカルな思考法を学ぶ上でも役立ちます。
論理的な思考は数学を学ぶと養われると言われますが、ひたすらに公式を覚えることを好む子どもは決して多くはありません。
理由としてはそれが単調に思えてしまうからというものもありますが、一方でプログラミングでやっていることは数学的でも、コードの入力と結果を出力するプロセスには理科の実験のような好奇心を養ったり、自分で推測や計画を立てて物事に取り組むステップが含まれます。
楽しく、賢くロジックを学べるのがプログラミングというわけです。
子供のうちからプログラミングを楽しく学ぶための方法
いくら必要で、好奇心を刺激してくれるとはいっても、集中力が続きにくい幼少のうちから学び続けるのは難しいものです。
どのようにして小さな子どもにプログラミングを学んでもらうのが良いのでしょうか。
まずは自宅でキットに触れてみる
1つは簡単なプログラミングキットに触れてみるというのが良いでしょう。
最近ではテレビでも子ども向けのプログラミング知育番組が放送されていたり、自宅で積み木のようにプログラミングを学べるキットが販売されています。
そういったものを試しに家に持ち帰ってみて、子どもと一緒に遊んでみるのは良い刺激になるはずです。
近所のプログラミング教室に通う
もう1つは近隣のプログラミングスクールに通うというものです。
大人だけでなく、小さな子ども向けに開講されているスクールは英会話教室並みに増えてきており、調べてみると様々な教室が見つかるはずです。
おわりに
プログラミングの重要性は高まっていますが、同時にプログラミングを学ぶための環境も整いつつあります。
各家庭にあった様々な方法で学習を進めていくことができるので、色々と試してみると良いでしょう。